Sunday, February 05, 2006

言論の不自由 イスラム

シリアダマスカス デンマーク大使館


 【カイロ=柳沢亨之】レバノンの首都ベイルートで5日、デンマーク紙をはじめ欧州各紙がイスラム教の預言者ムハンマドの風刺漫画を掲載したことに抗議する群衆がデンマーク領事館に押し入り、放火した。

 シリアの首都ダマスカスでは4日夕、デンマーク大使館に続き、ノルウェー大使館も焼き打ちに遭った。イスラム圏各国の抗議運動は過激化の様相を見せている。

 ベイルートのデンマーク領事館に接近した数千人のデモ隊は、催涙弾や警棒で対抗する治安部隊との激しい衝突の末、放火。(写真下)

 ロイター通信によると、放火した群衆の1人は、体を火に包まれながらデンマーク領事館の3階から飛び降り、死亡した。デモ隊と警官隊の衝突で30人前後が負傷した。

 一方、4日にダマスカスでデンマーク大使館に放火した群衆は、そのまま約6キロ離れたノルウェー大使館に流れ、治安部隊の包囲を突き破り放火した。各国大使館員が負傷したとの情報はない。

 デンマーク政府はシリア、レバノン在住の自国民に、ノルウェー政府もシリア在住の自国民に、それぞれ退去を命じた。また、米国と欧州連合(EU)は声明でシリア政府を非難した。

 ロイター通信によると、イラクの主要武装組織「イラク・イスラム軍」を名乗る集団が5日、イラク駐留デンマーク兵の拉致と殺害を呼びかける声明をインターネット上に流した。
(読売新聞) - 2月6日1時43分更新

当の風刺がどんなものかというと
http://en.wikipedia.org/wiki/Jyllands-Posten_Muhammad_cartoons Wikipediaに本事件の特集があります。(ご自身の判断でご覧下さい)
 イスラム教を理解していないせいか、個人的に言えばなんでこんな暴動がおきるの?って思ってしまう程度の風刺画です。
 民主主義にはルールがあります。表現の自由というのは民主主義の存亡にかかわることなのでこれは最大限尊重されなければなりません。そして、言論には言論で対抗するというのもそのコロラリーとして大切なルールです。表現の自由に対する制限が可能だとしても極めて慎重でなくてはならい。暴力によって言論を封殺するというのは民主主義への挑戦だと考えていい。
 今回の暴動がイスラム教原理主義者の仕業なのか、あるいはイスラム教全体の教義から論理的に導かれる帰結なのか、あるいは、教義とは関係なく、抑圧されたイスラム教信者の暴発なのか、その点はよくみきわめなくてはならないと思います。
 欧州諸国では民主主義の危機としておおいに論じられています。日本でもこうした問題はこれから起きうることなので、単に傍観していればよいというものではないように思います。、

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